慣れ親しんだシステムから新しいものに切り替えるというのは、非常に勇気がいるものです。
たとえそれが結果的に非効率なものだったとしても、使い慣れているものというのは手放しがたいものです。
かつてそろばんを使いこなしていたおじさん世代にパソコンを導入したときの反発と同じように、明らかに使いやすく効率的なものに変えることでさえ、労力が必要です。
ですが、技術の進歩や、ユーザーエクスペリエンスの蓄積によるノウハウの取得などを踏まえて、新しい使いやすいシステムにITトランスフォーメーションを行うことは、企業を継続運営していくうえで、絶対的に必要な事です。
それだけの労力をかけても得られる長所はなんでしょうか。
目次
ITトランスフォーメーションを行うには莫大な費用がかかる
まず、当然ですが、ITトランスフォーメーションを行うには、莫大な費用がかかるケースが多いです。
ですが、データセンターやハードウェアのメンテナンスに関する支出を大幅に削減でき、人件費に関しても自動化により削減することが可能です。
エンドユーザーの作業も効率化され、テクノロジーのコストも節約ができるため、全体的な費用削減につながります。
そのため、長期的な視線で見るときちんとかけた費用を回収できるようになっています。
次に、ビジネス観点からみた長所としては、全社員が必要なテクノロジーに簡単にアクセス可能となり、生産性が向上します。
ITチームが時間と手間をかけて指導、伝達しなければならなかった作業も、それぞれの担当部署で完結できるようになる可能性も高いです。
ITチームはプラットフォームさえ用意してあげればよくなるのです。
これはITチームの高い負荷を削減するにもとても良い一歩になります。
企業のリモートワークへの意識変化
そして、将来性という観点から見た長所も挙げられます。
特に今注目されているのが、企業のリモートワークへの意識変化です。
少し前までは、リモートワークというのは一部の前衛的なIT企業などで導入されているのみで、通常のメーカーや中小企業等では一切検討課題にもあがらなかった事かと思います。
リモートワークのイメージとしては、社員の労働時間の管理が難しい、生産性や効率が上がらない、自由をはき違えてしまいさぼってしまう社員が増える等、特に労働者側ではなく管理する側の人間からすれば、リモートワークは良い事無しというイメージだったのではないでしょうか。
ところが、新型コロナウィルスの影響で急激に世論が変わり、国としてリモートワークを推奨することとなり、慌てて環境を整えはじめた会社も少なくありません。
ところが、ノウハウも蓄積されておらず、当然簡単にリモートワークができるようなシステムにはしてこなかったため、トラブルが続出し、緊急事態宣言あけにはあっという間にまた出社に戻ってしまった会社も少なくありません。
安全性を担保されたセキュアな環境をITチームが用意する必要がある
実際は、通勤電車によるストレスや時間の無駄、ハンコをもらうためだけの出社、自宅で作業することの効率の良さなどに気づき、リモートワークを続けたいと思っている人がかなり多くいるのにもかかわらず、あっという間に出社体制に戻ってしまったのです。
リモートワークによる働き方の体制を一時のブームで終わらせることなく、今後いつ起きるかわからない第2、第3のパンデミック(新型コロナウィルスにかかわらず、様々な災害や感染症など通勤による危険は常にあります)に備えるためにも、会社のシステム自体をリモートしやすい環境に整えておいてあげる必要があるのです。
当然それを実現するには、安全性を担保されたセキュアな環境をITチームが用意してあげる必要があります。
あらゆる場所から最新の情報にアクセスでき、柔軟に対応できるようなシステムを構築しておくことが必要になります。
これらを実現するためにデジタルトランスフォーメーションを考えていく方が良いのです。
ITトランスフォーメーションを実現するために
では、ITチームはITトランスフォーメーションを実現するために何をしなければいけないでしょうか。
その必要な方向性は会社や企業によって様々です。
確実なニーズの把握をするためには、社員のエクスペリエンスの徹底的なリサーチと吸い上げが必要になります。
使う人の立場になって、本当に必要なものは何かを考えることが非常に重要です。
また、そのうえで、ITチームはITトランスフォーメーションの実現によって、そのデータやアプリケーションへのアクセスの効率化が実現できているか、日常的なタスクが自動化によって便利になっているか等の判断をする必要があります。
そして各企業によるITトランスフォーメーションが進むことによって、その企業で働く人のみならず日常の生活の中にも変化がたくさん起きることになります。
まとめ
例えば、出かけ先でタクシーに乗ろうと思った時に一人で乗るのは費用がかかるので誰かとシェアをして乗ろうと思い、アプリを立ち上げ即時に同じニーズを持っている人を探す事ができタクシーをシェアできるような事が当たり前になっている時代は本当にすぐそこまで来ています。
最終更新日 2025年7月7日