日本赤十字社って?
日本赤十字社の特徴はいろいろとあるのですが、一言で言うと変わった存在というように言って良いのかもしれません。
認可法人なのですが、既に世界的に知られる赤十字の日本支部というモノなので、既に世界で活動するという事が求められることになっていたという歴史も特徴的で、軍隊と共に行動する従軍看護師というような存在がいたというような事も歴史的に見て極めて特徴的な所という事になるのかもしれません。
今からすると、病気になった人を看護するというのは当たり前の感覚ではありますが、戦時下にあってはその考えはどこまで通用するのかわからず、看護師であっても軍に追随すれば命も危ないという事は当たり前のようにあったでしょうから、従軍という事も追認している時点が極めて異質な事も感じられる組織であったという事が言えるのかもしれない。
今では考えられない戦争という非常時の事ですから、何が正しくて、何が正しくないのかという事が極めて分かりづらい時ですから、戦争という事があっても戦地に出かけて命を救うというのは、この組織の考え方からすると唯一の正しい考え方という事になったのかもしれません。
既に世界中で赤十字というものが知られていたとは考えられるのですが、戦争というのは、人の命を奪うという事を目的としているところもあるわけですから、そのような場所に出かけていくという事がどのような事なのかという事は、実際に行ったものでなければまずはかり知る事は出来なかったでしょう。
人道的任務を達成することを目的としている
日本赤十字社は赤十字の理想とする人道的任務を達成することを目的とするということを社法の第一条で述べているのですが、全てがここに集約しているという事になるのかもしれません。
普通の企業であれば、ここに来るのは利益を第一とするというような事になるわけですが、人道的任務という事ですから、もうこの時点で営利などは関係ないという事が決まっているという事になるわけです。
後は人道を守るために如何なる事をするのかという事を考えていくだけということになるわけですが、その中には戦地にさえ赴いてその任務を果たすという事まで考えるわけですから、この精神が如何に厳しいものなのかという事も想像に難くありません。
日本という名前はついていますが、二条では国際性という言葉が出てきて、既に国内の事を考えるだけでおさまるような事では無い事がこの事からも分かって来ます。
更に二条では世界の平和と人類の福祉に貢献するという事が述べられているわけですから、既に日本という事が関係なく世界レベルで物事を考えるという事が此処でもはっきりとしているというわけです。これだけ明確に国際的な事を意識した社法というのはまず無いといって良いかもしれません。
日本赤十字社の基本精神について
日本赤十字社の基本精神というものの中に世界性という極めて聞くことが無い言葉が入っているのですが、この事を考えても既に日本という枠を完全に超えた考え方をしているという事が分かるので、如何に変わった存在であるのかという事が垣間見えるという事にもなるのかもしれない。
この考え方は当然全ての日本赤十字社の支社でも同様の考えが貫かれていると考えられますから、こうした団体の活動が常に世界を見ながら行動をしているという事は知っておいた方が良いかもしれません。
国内だけの事を考えているのではなく、この会社の利益を考えているわけでもないということなので、この組織に属さない人からすると極めて分かりにくい考え方をしているという事にもなるわけです。
だからこそ、戦争という非常時であってもそこに行って活動をする事が出来るというわけで、一応は日本の国の中にあるのですが、それはあくまでも場所的にそこにあるというだけのことであって、根底にある物は世界平和や人道的任務の遂行という事にあるというわけです。
組織として活動していくためには現実的にお金が必要になる
勿論、こうした事を考える為にはお金も必要になるわけで、先立つモノが無ければ医療行為をする事も出来ない、医療器具を調達できなければ、けが人がいても救う事も出来ないという事になるわけですから、こうした組織が常に直面するのは理想とする世界と現実世界とで、どこで折り合いをつける事が出来るのかという事が問題となると考えて良いのかもしれません。
それが理想の方にバランスが行き過ぎると、出来もしない理想論だけを語る夢想家という事になってしまいますし、堅実的になるとそれでは一般企業と変わらない存在となるという事で、このような高い理想を掲げている団体というのは、常に難しいバランス感覚が要求されるという事になるのかもしれない。
そして、その感覚を欠いてしまうと、日本ユニセフ協会のように世間から疎まれるという事になったり、逆にいいように利用されるだけの存在になるということになるというわけで、この高い理念の実現には極めて難しいバランス感覚が経営陣に必要になるという事になるのでしょう。
それが出来ているのかどうかは後の世の人が評価するという事になるのかもしれません。
最終更新日 2025年7月7日